Andy理論: 2008年9月アーカイブ

「世の中に共通な辞書は無い」理論

辞書は無い.jpg相手に誤解の無いように伝えたいとき、言葉を選んでいる間の「一瞬の沈黙」は珍しくありません。

考えや気持ちを言葉で相手に伝えるのは意外と難しいものです。

仕事でのミーティング中、一つの言葉の意味をお互いに違ったニュアンスで理解していると、ちぐはぐな議論となり時間の無駄だった・・・ということもあります。

また、「適当にお願い!」といわれたときにどう解釈するかはその人次第です。一般的には、いい加減に・・・手を抜いてもいいから・・・という意味合いが強いと思いますが、適当=適切の場合もありますので、やり過ぎない程度にちゃんとやってください・・・とも解釈できます。
辞書で「適当」を調べると、
1)ある条件・目的・要求などに、うまく当てはまること。かなっていること。ふさわしいこと。
2)やり方などがいいかげんであること。また、そのさま。悪い意味で用いられる。
一つの言葉が逆の意味を持っているのです。

日本語は更に厄介で、単に「いいぞ!」の掛け声だけでも誤解を生みます。

野球のルールをよく知らない、運動大嫌いの小学生を無理やり引っ張り出して皆で野球で遊んでたときのこと・・・
彼の第1打席はゆるいピッチャーライナー・・・ピッチャーがボールをキャッチした後でも彼は1累に向けて猛ダッシュ・・・
「アウトだから走らなくていいよ!」と大声で教えてあげる。
2打席目は予想に反してなんとクリーンヒット・・・思わず「いいぞ!いいぞ!」と叫んだら、
何を思ったか、途中で引き返してしまった彼・・・そう、走らなくて「いいぞ!」と聞こえたのです。
私は唖然としましたが、彼への申し訳ない気持ちでいっぱいになり、なんで「走れ!走れ!」と言わなかったのかと後悔した思い出があります。

日常生活でもこのような言葉の解釈による誤解は普通に生じているのではないかと思っています。それも、相手が誤解していることにも気付かないうちに気軽な会話はどんどん先に進んでいきます。
よく考えると、本当に怖いことです。

職場で、「先方に何回かお話したので解っていると思います。」という言葉をよく耳にします。でも、基本的には「自分の言葉は相手に通じない」と思っていたほうが無難です。

100人いたら、100人がそれぞれ自分の「辞書」を持っているのです。

普段から一緒にいる友人や同僚の場合は、相手の言葉を自分の辞書に登録済みなので、あまり問題は起きません。

よく、ビジネス本に「自分の言葉で理解しろ」、「言葉だけで指示を出すな」といった類の教訓のようなものを目にします。
これらは私自身も気をつけていることです。

口頭で指示を出したとき、1回ですべてを理解してもらっているとは思っていません・・・ですから、1回指示を出して部下が期待通りに動かなくても注意したりしません。言葉を変えてもう一回普通のトーンで指示を出します。
2回、3回指示するうちに、相手も無意識に自分の辞書にある言葉に変換して理解が深まってゆくと思うのです。

あと、相手によってはあまり長い説明はしないようにしています。
ちゃんと理解してもらおうとするほど、特に私は、指示に関する背景や意図などの説明が長くなってしまい勝ちですが、共通な辞書を持たない相手にたくさんの言葉を使って長い話をすると余計に混乱してしまう場合も考えられるからです。

恋人同士や新婚夫婦の場合は特に意識して欲しいです。

もちろん普通の人たちよりも、相手の辞書を理解しているはずですが、今までにない環境・話題・・・例えば結婚式場選びから始まる結婚準備だったり、新居を構える話になると、理解していない相手の言葉が行き交うことになります。
単に遠慮しただけなのに・・・甘えただけなのに・・・慣れない内容の会話になると簡単に誤解が生じてケンカになることもあります。

言葉を選んでいる間の一瞬の沈黙・・・きっと相手と自分の辞書は違うことを知っている人なんだと思います。
そう考えると、生放送のニュースキャスターや司会者、評論家先生方はすごいです。聞いている多くの人に誤解の少ない言葉がすらすら出てきますので・・・

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